『大拳銃』『へんげ』

■ハルクホーガン体操MIX作業をアントンさん、今林さんと。

シアターN渋谷『大拳銃』監督:大畑創
久しぶりに自主映画を見たという感じがした。16mm撮影の工場地帯のロケーションがとても美しい。ロボコップとか、鉄西区とかそのロケーションだけ高揚出来るロケーションがしっかり存在することを再確認。

全体的に映画美学校独特の間合いと演技の半端さが見えて、どうもこの間が苦手だということが何となく自分の中で分かった。映画界でそれを賞賛する集合体だけが際立っているような気がしてしまって。デジタルシネマ時代に手法はいくらでもどうにでもなるのだから、その学校出身の色が見えすぎるのは気持ちが悪いなと思ってしまった。うちの学科はそういう意味では自由奔放で良いのかと思った。

シアターN渋谷『へんげ』監督:大畑創
前評判ほどの凄みは感じなかったけど、自主映画なのに凄いものを作ってやろうという志の高さを感じまくった。一室の部屋から始まり、最後は東京全域を見渡せるまでその場所が拡大していくその世界観は自主映画としてのクオリティを遥か凌駕している。「鉄男」と同様のテーマや質感のモチーフだけど、今の機材だとこうなるのかという感じはした。でもたぶん「鉄男」の方が記憶に残っちゃうし、何度も見返したくなると思う。それはどうしてかは分からないけど、5Dで撮影したような質感のルックがこの特撮映像にぴったしだったのかは分からないす。

褒めている人はやっぱり美学校系の作りのエキスを持った人たちばかりだというのも気にかかる。だからか外に開かれている感じはあまりせず。演技や間合いとキャストの魅力はやっぱり映画美学校っぽさが見えてノレず。日本人色気ない。なんだろうな、こういう環境下だけなら僕は映画は作らないと思う。難しいことだけど、流派に囚われない作風が若い作り手には必要だと思った。全く見当違いのことを書いているけど、この感想を持つことが出来たのが、逆に良かったんだと思う。

■BD『ウォッチメン
ロールシャッハ