『シド・アンド・ナンシー』

下高井戸シネマシド・アンド・ナンシー』監督:アレックス・コックス
無軌道な若者たちがそれこそセックス、ドラッグ、ロックンロールに傾倒していった様子とその末路がひたすら生々しい質感のフィルムに映し出される。ここで描かれるのはひたすら破滅へと向かっていくロックが背負い込んでしまった魔力のようなもので、ドラッグを続けていくことそのものがやがて幻覚症状を見始め、ファンタジー溢れる演出に切り替わっていく。マンションに放火し、フラフラになりながら、彷徨うシドの後ろ姿が破滅を描く映画の美学として象徴していた。ナンシーのその無軌道なはしゃぎっぷりと、