「モンテ・ヘルマン語る 悪魔を憐れむ詩」

■仕事。

■「モンテ・ヘルマン語る 悪魔を憐れむ詩」
モンテ・ヘルマン自身のパーソナルな視座が新作「果てなき路」を通して浮き上がる。最初述べられるのはデジタル撮影での出来事で、ヘルマンは近年のEOS MOVIEなどに代表する映画製作への関心を示している。ヘルマン自身が非常に若々しい感性を持ってこれらの技術と接していることが分かり、これらの技術によって通常の映画製作の予算では実現することの出来ない現場で新作を完成させたことが伺える。改めてヘルマンのような巨匠がデジタル技術を前に能動的に製作をしている現場を見ると、もはや若い人間がこれらの技術を使わずに映画製作をしないこと自体がアホらしくさえ思えてくる。改めてもう「作らない理由」なるものなどないのだということを実感させられる。

モンテは自身の最新作をモンテ・ヘルマンの卒業制作と称していた。映画内映画としての構造が見える中、それはまるで自身の長く苦しい映画製作そのものに関するセルフ・ドキュメンタリーのようであった。そこでモンテへルマン自身が映画の中で映画に一番重要な要素としてキャスティングのそれを言っているが、それ自体のやりとりさえ本編ではある種のジョークのように冒頭に示される(有名俳優の固有名詞が頻繁に出てくる事でも顕著だ)。

追記:モンテ・ヘルマンに対して何故か研究しはじめる。たぶんその製作スタイルによる関心や、映画が人生にもたらす関係について関心が行き始めていた。