ピラニア3D』

■BD『サロゲート』監督:ジョナサン・モストウ
再見。ロボットを通じたある夫婦の話の部分が自分にはクリアに見えてきた。ロボットに「便利さ」だけでなく人間の「尊厳」や「美」さえもが奪われてしまう。そんな人間らしさの損ないに待ったをかける夫のブルース・ウィルス。ある意味では化粧品やダイエット商品等にも分かりやすく置き換えられるだろう。ロボット工学の進歩は現実的なこととまた等しい問題が発生してしまうだろう。

■TOHOシネマズ府中『ピラニア3D』監督:アレクサンドル・アジャ
素晴らしかった。おっぱいもチンポも3Dで飛び出てくる。キャメロンが「一番3D映画に似つかわしくない映画だ」とか言ったらしいが、最後は肝っ玉保安官母ちゃんの奮闘になるというある意味キャメロンイズムを一番引き継いでいるとも言える展開に。エログロの見世物精神は3Dで復活。

ポルノ監督最高だった。裸で女性をパラグライダーに乗っけて「おい!空飛ぶおっぱいだ!」けど撮影が素人だったから 「撮れてねーじゃねーか!!」とブチ切れるシーケンスが秀逸。あとイーライ・ロスの仕事人っぷりは本当に安心出来る。

■DVD『黒い眼のオペラ』監督:ツァイ・ミンリャン
ペドロ・コスタにも似た定点映像の集積。今作も同様にそこから映し出される景色はゲットーのある世界のようだが、いかんせん画面に動きのない退屈さにはもはや好みの問題であることのレベルに到達してしまう。自分が作品を作る際には実践はしない可能性はある。とはいえそんな定点の集積で「映画」が作れてしまうこともまた事実だとするならば、定点の映像に委ねる間や何かにどこまで信頼を置き編集するかはその監督次第になるということなのだろうか。ならば自分はまだまだ勉強が足りないと思ってしまった。

■DVD『アバンチュールはパリで』監督:ホン・サンス
ユルさに対しておかしみを突きつけてくるタイプの作品だった。自分はユルさを肯定することや映像としてそれを表現することは単に苦手だと思っていたのだが、あえて外しにかかることがどれだけ高等手段かということを突きつけられたような感じだ。全編を通して繰り広げられる謎のズームアップも「意味のないところ」にズームアップが繰り返される違和感や気持ち悪さといった映画の「外し」や「遊び」がなせる技であり、文法を逸脱してその監督の意図を表現することは可能なのだととても勉強になった。

■DVD『悪い男』監督:キム・ギドク