興行

■興行。後楽園に到着してもまだ制作し続ける。完全にキャパ越えだが、それでも間に合うという計算が出来た上で作業は出来たのではないだろうか。今週は妙なカタルシスがあった。それは仕事に対して誠実に向かわないと獲得出来ない「何か」であったように思う。あとはあの団体に負けたくないとか、DDTが一番面白いんだという自負のようなものが芽生えてきた。無論、そんなことは私のエゴであるのだが、少なくとも業界の中ではそれらの切磋琢磨の意識はある程度のブレーンだけが持ち合わせているような気がしないでもない。レスラーがどこまでその意識を持っているのかは人それぞれだが、少なくともプロレス団体の映像作家として自分は最近プライドを持って仕事に望んでいるような気がしている。プロレスというより映画にアンテナを向けているのも、それが自分にとってプロレスへの還元になるであろうということを信じているから。

石井vsKUDOのVTRで過去の映像、写真の強さを再確認した。もちろんそれをさらにドラマチックに見せる構成、編集の技量はまだまだだと反省だが、現在と過去、未来という時間軸が行き来するのがプロレスの魅力だと思った次第。

■ここのところは電車で帰宅する際にほとんど爆睡している。今日も調布から府中の記憶がない。特急でほとんどの駅を飛ばすあの区間にはなんだか不思議なものを感じる。

■BD『マチェーテ』監督:ロバート・ ロドリゲス、イーサン・マニキス
帰宅して爆睡し、起きたら2時くらい。変なテンションでマチェーテを見る。が、素晴らしかった。この作品はやはりミッドナイトでこそ見られる作品であり、どうしようもない時間の過ごし方に対して、この返答をしてくれるマチェーテのようなあり方を持つ作品や価値観は絶対になくしてはならないとおもった。ボンクラだの、軽いノリだの言われるのかもしれんが、これらの作品があることで人生の微かな隙間に豊かさが生まれるのだろう。こんなミッドナイトに暴れるマチェーテが愛おしく感じられ、またこの深夜の時間が人生の深い味わいであるかのよう。『ガクセイプロレスラー』を六本木で深夜上映したあの高揚感は、そういった作品にこそ付随する。またそんな作り手はこの世にまだまだ生き残らなくてはいけない。