名古屋遠征

■興行で名古屋に遠征。大家さんと紫雷さんの試合に感動した。男女の愛憎が全てこの二人の関係性によって表現されている。言葉で肉体で表情で、プロレスで出来る表現をこの二人によって人間のある普遍的な状態を表現してしまうなんて。もう涙ものですよ。この抗争は『ブルー・バレンタイン』そのもの。

■名古屋に何もリベンジ出来ていないと思った。ひたすら辛い思い出が巡ってきて、どうすることも出来ないあの日々が「過去」になっても僕はその過去にリベンジしなくてはいけないし、清算しなくてはいけない事柄になっていることを実感した。誰が悪いとかそんなんじゃない。僕自身が付けるケジメの問題だ。

■帰りの車中で、中澤さんと大家さんとプロレス談義。僕にとってこの二人は最もリスペクトすべきプロレスラーの二人になった。この二人が放つ人間力とは一般社会の窓口であり、時代の移し鏡なのだ。私生活を曝け出せるこの二人は、僕が考えうる極私的プロレスリングを具現化してくれる数少ない杞憂なレスラーである。