『LOOPER/ルーパー』

新宿バルト9LOOPER/ルーパー』監督:ライアン・ジョンソン
これすげーや。技法、音響、時間軸、構成、キャスト、CG、美術、デザインとありとあらゆる要素が「新しく」感じられる上に、最終的に圧倒的なメッセージ性を放ってくるので。あれこれ語りたくなるプラス、映画体験として凄かったなと思わせるのがもう凄くて。

まずカメラワークと、カットのキレが凄い独特な感じ。しっかりカットバックで捉えながら、すーっとドリーで引いて、画面が回転したり。
構成もとにかく見ている側がハッとする時間軸の操作性。そしてキャスト全員が魅力的。特にヒロインのエミリー・ブラントはもう妖艶さと、母性が凄まじい。

音響もとにかくズシズシと響いてきて、高揚感と緊張感の演出がまぁお見事。
参った。大好きな作品。

それにしても、未来から来た自分と闘うという構造が良い。タイムトラベルものじゃないとしても、結局のところ自分自身と闘うっていうテーマって一般的によくあると思うんだけど、ここまでドラマティックにかつ運命を変えるためというニュアンスを新作でも出せないもんかと思ったりした。