『演劇2』

イメージフォーラム『演劇2』監督:想田和弘
想田作品とは監督自身が作り上げたルールと信念をベースに作られた紛れもない映画なのだということがこの作品を通して理解出来た。既に答えが決まっているテレビなどに代表されるドキュメンタリーに対する回答として、自分で限定的なルールを作ることによって「映画」をスタイルの違う「映画」として君臨させている。「ロープに飛ばないスタイル」というやり方でプロレスを従来の違う見せ方で提示したUWFの思想のようなもので、想田さんの持論というのは揺るぎないものとして身体に根付いているのではないか。

対する平田オリザも強烈な持論の持ち主であった。持論を持つ人間同士がキャメラを通して展開されるモンタージュは秀逸なプロレスを見ているようでもある。いや異種格闘技戦とでも言うべきか。

平田オリザの演劇にまつわる運営などに焦点を絞った第2部は演劇そのものや、平田個人を追っていった第1部と比べややダイナミズムにかけるような気もするのだが、対象としてやはり面白いものであるのには変わらない。このような小宇宙を追う事と、第1部のそれにまつわるテーマそのものをしっかりテーマで分けるだけで、随分と作品は見やすいものになるのだろうと思った。