ディノスシネマズ札幌劇場

ディノスシネマズ札幌劇場『ミケランジェロの暗号』監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー
ミケランジェロが残した絵とそれを欲しいヒトラー率いるナチスとの駆け引き。作品を見ていて『イングロリアス・バスターズ』に似ているなと思ったが、パンフを見ても頷ける箇所がたくさんあった。監督はイングロを見て歴史映画を大胆に改変しても良いのだと背中を押されたという。ナチスの絶対的な歴史を前に、それを改編してエンターテイメントを作るということが改めてどういうことなのか考えされる。幼なじみ二人が互いに同じ女性を好きになり、一方はナチスになるといった、それぞれの岐路の立ち方が明確かつ興味深いものになっている。一枚の絵を軸に、途中で主人公がナチスの服を奪いすり替わるなどの古典的な騙し合いも歴史事実の重厚さが伴えば、高い緊張感を持つものに変わるのだなと理解出来た。

ディノスシネマズ札幌劇場『リミットレス』監督:ニール・バーガー
ブラッドリークーパーの映画。彼の色気や自堕落な部分も含めて、ぼぼ主役の彼ではなければ不成立な映画。ある薬を飲むとリミットレスな状態になり天才的な出来事が起こせるようになる。物語のほとんどは破綻している部分も多く、パンフでもストーリーに言及すている評論家はほとんどいないのだが、主役の俳優が天才的に魅力的であれば映画は憎めないものになるということがハッキリと分かった作品だ。全盛期のミッキーロークに近いものがあり、佇まいや歩き方、表情などの色気がフィルムにしっかりと定着している。現代的な編集は心地が良かった。タイトルが出るまでのオープニングは前方のあるものをずーっとズームアップしていきさらに先のものが見えてくるというリミットを越えた能力を表現しようとしたのだろうか。