一夜明け

■朝起きたら誰もいなくなっていた。ボーっとしていたが、しばらく映画を見ていなかったので、このまま帰るのもどうかと思い渋谷に赴く。事務所出たら、松江監督が自転車で激走していて、そのすぐ後ろに吉田豪さんが弁当片手にフラフラ歩いていた。何だか新宿の住民として認められた気がした。結局、自宅に戻らずシアターN。疲れてるけど、今はひたすら違う種のモチベーションが欲しい。モンスターズも製作費は130万円なのか

シアターN渋谷「モンスターズ/ 地球外生命体」監督:ギャレス・エドワーズ
低予算な映画においては何を「売り」にするか、より先鋭的に見せなくてはならないわけだが本作はVFXが売りではなく、先鋭的な雰囲気にこそ価値を見いだしているように思えた。終末感漂う雰囲気と、終わりなき末路を歩いているかのように思えてくるロードムービー。例えば看板一つをとってもそれが「リアリティ」の水準を上げる要因になるのであればどんなゲリラでもそれを捉えるという執念が見える。本作はそんなゲリラ撮影の水準をまた一つ上げてしまったように思える。映画的にまだ食い足りなさがあっても、低予算以上に映画のルックが「映画」であるならばそれは評価以外の何ものでもないのだという証明だ。

シネマライズ『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』監督:バンクシー
『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』が実は日本のインディペンデントドキュメンタリーに近い作りだったのは発見だったなー。松江さんはどう評価してるんだろうか。確かに「古着屋のオヤジをプロデュース。」だし、被写体と監督が入れ替わっていく構造も痛快だった。『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』も『ティーンエイジ・パパラッチ』撮る側と撮られる側の逆転現象がとても何気ない感じに描かれていることがとてもミソな気がするし、自分もそこに何かしらの興味をそそられているのは確か。あと映画内に「容赦のない被写体への批評」があることも興味深い

■一週間ぶりに帰宅。