ぷろれす

最近プロレスファンだから、自分もプロレスのような表現を試みようとする人たちを多く見かけるんです。表現として、さらに自分のフィールドで実践してみようと。僕はインディーレスラーだから、自分が凄いとか、一般の人とどう差があるんだとかは、入門テストも受けていない学生プロレス上がりだから上手くは言えないし、言う権利もないんだけど、それがなかなか上手くいかないというか、上手いこと表現として成立していなかったり、しょっぱかったりするものとして、仕上がってくるのを何度も観て来た。

恐らくなんだけど、どう考えても目に見えないプロレスの技術への理解力や、その要素を無視して、自分なりの「プロレス」を展開させようとするから破綻するんだと思います。至極真っ当なことを言えばたぶん凄くプロレスって難しい。

プロレスの素人さんコンテストみたいなのを何かの興行で観た事があった。好きな選手の入場テーマに合わせて、それで大見得きって入場するみたいなやつだったっけ。でもだいたいの人はちゃんと出来ないし、ちゃんとしてる風に見えない。これが一発で出来るようになったら大したものだし、若手なんかはここで見栄をきることなく、お辞儀したりして試合を重ねながらアップデートしてくわけでしょ。学プロってそういうのを本気でやってたり、「痛いなあ」って思うことの差異を実況、解説で笑いに変換することがこれまた面白かったりするわけで、それをフォローする技術がなければ、それ以下って言われてしまうのも無理ないよなあと思う。

頭の中で描いてごらんよ。ドロップキックが実際にやってみたら難しいし、受け身なんてもっての他で、インディーだろうが、メジャーだろうが、そういうのを超えた要素が集まってプロレスで個性がぶつかり合ってるんじゃないだろうか。

どんなにギャラが安くても、そういう人に見えない技術や、サムシングの中で闘っているんだから、時には胸を張らなくちゃだし、時にはその状況に自分が俯瞰してみなきゃとふと思った今日この頃

るろ剣の映画2部作を見終わりました。個人的にはとても大成功な映画だったんじゃないかと思います。まず漫画原作をモチーフとした作品として、とても良いキャスティングと実写に変換していると思います。江口洋介斎藤一なんかは本当に惚れ惚れするほどカッコイイ。正直ここまで日本人俳優がカッコイイ!と思わせる作品ってなかなかなかった気がします。後は凄い壮大なプロレスだったと思いました。勧善懲悪、いくつもの対戦カード。中でも相楽左之助の格好良さというか、少年ジャンプ感は大人になった僕にもたまらないものがありました。日本人を日本発の表現として水準を上げてくれた
大友監督の仕事が素晴らしいと思いました。

上手く言えないんだけど、from Japanの演出で惚れ惚れする監督って今は大友さんと佐藤大輔さんなんじゃないかって思ってます。二人ともある意味でド演歌なんだけど、キレがやっぱり海外のそれと負けていないというか、そこに日本人的なエキスがあるんですよね。

やっぱり表現として憧れてしまうものが海外に集まりがちなんですけど、まずここ日本で勝利条件を重ねていって自分の表現を見つけるためにはfrom Japan、Japaneseであることの自意識に目覚めるしか他ならないと思います。

今回のるろ剣では、台詞回し、日本人的な言い回し、日本ドラマの間合いがしっかりとスクリーンに映える形で提示されていた。ちゃんと俳優がうっとりするくらいの魅力を兼ね備えているのが嬉しくなるんですね。

日本人としてしか僕は見せられないわけだから、やっぱり日本人としての血筋や、姿、形をもう一度しっかり捉えなおしたいと思った次第です。

あと、るろ剣、皆やられっぷりが最高でした。クレーンアクションでしっかりヤラレルのは気持ちがよかった。