ライズにライズ

シネマライズで『キューティー&ボクサー』を見る。大傑作だ。僕が現段階で考えるドキュメンタリーでやるべきことや出来るアプローチが完璧なまでになされている作品だった。まずルックがすげえ。どんなカメラで撮ってるのか分からないけど、およそその辺のフィクション作品よりも画がきまっている。定点の構図で撮る最初のシーンから、ハイスピードカメラのスローモーションで魅せるきめ細やかな映像まで、更にはアニメーションもある。およそ言葉だけでなく、ここまで映像に雄弁に語らせるドキュメンタリーってそうそうない。というか撮影が見事過ぎて。。お手上げだ。カッコいいし、おしゃれだし、人間臭い。ズルい。被写体の二人はひたすらに可愛気がある。会話がもたらす豊かさがたまらなく微笑ましい。不快感がゼロだ。構成もとても見やすい。アートとエンタメのバランスが程よい。テンポが良いのに、構図も完璧という反則級の出来。監督は29歳!!!!!!嫉妬!!!!!!!!ドキュメンタリーの知らない世界観を覗くということもクリアし、更には圧倒的に被写体として優れている二人の夫婦を凄く可愛らしく撮る。細部の一つ一つが豊かだ。もう今成とはレベルが違うんだよと言われているようなドキュメンタリー。参りました。