2012年07月11日のツイート

■blog更新しました。今後はもう少しマメにメモをとろうかと。感想もしっかり書いていこう。

新宿バルト9崖っぷちの男』監督:アスガー・レス
とてもテンポの良い快作。自殺を試みる男と、とんでもない高さのホテル。その画一つから、何故この男はこんなところにいるに至ったか?という逆算から話は進んで行く。次第にそれは主人公が無実をはらすために、計画的にその場にいることが分かっていくが、それと同時進行しながら、それぞれの集団で見所のある動きが矢継ぎ早に進んで行き見る者を飽きさせない作りになっている。まず画ありきで徹底して興味を抱かせる、しかしその場自体に「動」の動きがないにも関わらず、実は仲間がダイヤを盗むために向かいの建物に侵入を試みる「動」を見せることで、スパイものとしての要素も入っていたりする。交渉術のシーン、警察内部の動き、潜入するシーン、飛び降りそうな男、ダイヤの発表を待つ男と同時に動きを見せながら、そのどれもが段々と介入しあう様が見ていて面白い。

ラストはもっとカタルシスが合っても良い気がしたが、やはりここくらいでとどめておこうという位の方が丁度良いのだろう。これもテンポや視点の勝ちではないかと思った。上映時間があっという間に感じられた一作。

それにしてもサム・ワーシントンさんはかなり魅力的な男になったと思いますよ。何か無軌道な感じがとても良い。そして実は冷静なあれとか、よくわからない髪型とか、とても素敵に感じられました。

■このごろはようやく映画を構成としてどうなってるかという視線で見る癖がようやく付いてきたと思います。さらに言えば、これからどう自分なりの感想を持てるか、そしてどのようにして自作にそれを落とし込んで行くかが勝負だということになるかと思います。なので、ここいらで一度途中経過というか、自分なりの研究結果を。。

1.ドキュメンタリーを撮ることの意義とは現実から「夢」を見出すことである。

2.作品のテンポ、分かりやすさはその作品の間口を広くする要素になりうる。

3.映画におけるロマンチシズムの重要性、比重は今後大きくなると思われる。(それほどに人は現実に期待しなくなっている=それでも物語を必要としてきている)

4.細部に渡るサービス精神が求められている。細やかな仕掛けや小さなお楽しみの有無。

5.「リアル」志向は増々同時に求められているが、「リアル」なものだけを提示してもそれはただ味気なく、また素っ気なく、また可愛らしさもないものになってしまう。「リアル」さがキーワードになる題材である以上、それにスパイスを与える演出が必要である。つまり今さら純度の高い格闘技を提供しても時代遅れで、どう現代の見せ物として提示するのか、そこの演出勝負。

6.主人公たちへの感情移入は?時代と共に変化しているが、主人公の視点や、語り口はその時代を捉える合わせ鏡になっているのか?

7.勝負にサイコロジーはあるか?「アメイジングスパイダーマン」にはサイコロジーがなく失敗している。「闘う理由」への回答は曖昧ではいけない。「何のために闘うのか?」が増々問われている。

8.下ネタ、エロへの渇望。露骨にネットで検索出来てしまう今だからこそ、その探求はテーマになりうる。逆に日本人はもっと題材にして良い。

9.過去と現在の交錯は何故か今、求められている

10.「この人、分かってるな」という作り手への目線が重要視されている