ユニオン後楽園

■ユニオン後楽園。これまたギリギリまで作業。興行は何だかとても良い興行だった気がした。この盛り返しは何だろうと考えると、確かにコンセプトである怪しさと同時に、純粋にプロレスリングの質が高いものを提示出来たのではないだろうか。メインのVを作ったけど、ちゃんと入場前にお客さんが高揚してくれてた感じがちょっと嬉しかったりもする。あと一年を通して一番多くVTRを作ったのはイサミさんの試合だった。イサミさんのハードコア戦はECWの匂いが漂っていてもっとVTRを作ってみたくなる。とはいえこの日も怒られっぱなしで新年早々死にたくなった。死ねないけど

■事務所に戻る。社長と尾崎さんとご飯を食べる。社長と「お疲れさまでした」と。大晦日と3日の興行で映像班の苦労も共有してくれるので、嬉しい。当たり前だけど、社長が僕らの側に立ってくれるから身を粉にして働けるというものだ。

■終電で帰ろうとおもったが、2分遅れで間に合わず、ツタヤに寄って事務所にUターン。

■DVD『ストレンジャー・ザン・パラダイス』監督:ジム・ジャームッシュ
脱力、日常、オフビートといった作品は一体どのような構成で成立しているのだろうか。僕は普段からこの手の作品が苦手だったのだけども、自分の日常が実はこのようなオフビートなルックが存在しているこに驚きを隠せなかった先日。その原点とも言うべき本作は荒い質感のフィルムに対して生活感が剥き出しの男女が定点観察的に捉えられている。日常と日常のクロス。何も起こらない生活の中で、そこに起こる何とも言えない「おかしみ」があることをこの作品は物語っている。激しく笑え!と観る側におしつけるでもない。けど何となく笑ってしまう瞬間。何となく愛おしく思えてしまう瞬間の羅列こそがオフビート系作品の魅力なのだろう。ジャームッシュが注ぐ視点はカメラが暴れることなく、主張することなく、あくまで第3者の眼で見続ける。同時にそれは世界の中で、映画でしか捉える事の出来ない視点でもあるのではないか。「おかしみ」を肯定するには強い作家性が同時に必要ではあるが、これが肯定出来る力を持つ作家は強いかもしれない。